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国際シンポほかに宛てて

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シンポに出て、すぐ高熱を出し、仕事に復帰してはみたものの昨日一昨日と早退。今日は欠席。もうしばらく完全復活には時間が掛かりそうだ。本当は自分の意見や感想を書きたかったのだけれど、まとめる時間もなかったので。

先日のシンポジウムで、何よりも必要なのは予算と雇用だと感じた。「野生動物問題の解決を担う人材の育成」と言っても良いが、人材を育てられていないとは思えない。野生動物問題に関心のある学生は本当に多いし、意識が高く実践に励んでいる学生もいる。ただし、それを現場に直結できるポストは少ない。特定鳥獣保護管理計画制度や鳥獣被害防止特措法にしても、財政的支援とそれに基づく専門家の雇用があって初めて成り立つものだ。兵庫のように獣害対策を行うポジションを作り、その中で科学的・客観的モニタリングに基づく保護と管理を行うことが重要だと思う。オオカミを野に放つ予算があったら、若者の専門家を一人でも多く雇える体制を作るべきだ。「立ち並ぶ数万の動物の群れにたった一人で立ち向かわなければならなかった」という言葉は教官の武勇伝でよく聞かされたが、一人を雇用すれば何かを変えられる場合だってある。

少なくとも、ゲームハンティングが文化として廃れている日本で一般狩猟者に管理を担わせる体制は今後立ち行かなくなる。だからと言って、専門家を大量雇用できるほど国勢は良好ではない。計画の策定とモニタリング、現場の指揮を行う専門家を各都道府県に少数名雇用して、実際の駆除捕獲事業は民間企業や自衛隊に担当させるという案のほうが現実的だろう。少子高齢化と人口減の世界の先駆けモデルといわれる日本だからこそ、撤退のシナリオと攻めの姿勢の両方の視点で野生動物の保護・保全・管理を回していかないといけない。科学だけではなく、多分に政治力が必要そうだ。

そんなことを考えた。有機的なネットワークを作るには、いろんな働きかけがあるべきだと思うので、漫画も小説もblogも政治活動も何でも意味はあると信じて、意味もなくblogを書いている。
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2012年02月04日 | Comments(0) | Diary
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