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大型野生動物の管理システムの構築 ~クマ,シカ,イノシシとの共存を目指して~

そのⅡP7071165.jpg


Rapid change in the management goals for brown bear in sweden
from conservation to population


スカンジナビア半島のクマは27年間もの調査が行われてきた。基本的にはメスを対象に個体が生まれてから死ぬまで行動を追跡し、さらに小熊も捕獲して個体識別する。こうして5世代以上にも渡るクマの血縁関係が解明されている。この他に狩猟に基づく捕獲個体の情報収集や猟師からの目撃情報の収集、糞をもとにしたDNA解析によって個体識別を行うことで個体数のモニタリングを行っている。

スウェーデンでは1647-1892年にはクマの捕獲に報奨金を出す制度がとられていたが、狩猟者がクマの減少を実感するほどに個体数が減少してしまった。そのため、一転して保護政策がとられた。そして、クマが再び増加するようになると1950年代には狩猟が解禁された。ただし、安定的な個体数の管理を目標にはしていたものの、個体数の過小評価いよって、クマは6年間で倍増、その後8年間でさらに倍増してしまい、現在では強度の捕獲によって個体数の釣り合いが保たれている。ただし、人身事故がでさらに増加しており、国民感情としてはクマの増加を受け入れられなくなっている。そのため、2009年には政府がクマの保護から安定的な個体数管理へと再度施策を転換した。一度は絶滅しかけたものの、保護政策の成功によってヒグマは急激に増加した。さらに、保護政策が継続されたことでクマの個体数は人間の生活に影響するほどになっている。

このような事態に対する政策の変換は国民の意識に大きく影響され、結果として地域密着型の対応へと移行している最中である。


Status problems and perspectives management of wild dear in europe


シカの管理の体制にはヨーロッパの中でも多様な形態がある。これは各国に生息する生物の種や亜種の違いだけでなく、文化的な背景(法や歴史)を反映しており、どのような場所でも共通して最善策となる方法はないことを前提として考えたい。
そもそも野生動物が誰のものであるか、という意識が国によって異なっており、フィンランドやオランダでは国有だとされている。それに対して、オーストリア、イギリス、ノルウェイ、ベルギー、ドイツ、スペインでは基本的に無主物であると考える。このような違いは当然野生動物の施策に反映される。さらには、狩猟が推奨される国や忌避される国がある。狩猟者は少数派でも反対意見をもたれることはない国や狩猟が完全に禁止されており、管理の目的のみで補殺が許可される国もある。これらの違いが存在することは、問題解決のための管理の効率化だけでなく、社会的に納得できる制度と狩猟の正当な理由を定める必要があることを端的に示している。

欧州には狩猟に対する4つのモデル(Yves Leccocq's 4model of hunting)が存在している。
●Northern Europe
 楽しみと食糧調達が主な目的であり、狩猟は人気がある。
 人口当たりの狩猟者の割合がとても高いのが特徴(1/20)。
 ただし、欧州全体で徐々に減少傾向にある。
●Central Europe
 長い歴史と厳格なルールがに基づいて過度な狩猟の管理が行われている。
 主に有蹄類を対象としているが、比較的狩猟者は少ない(1/300)
 狩猟の目的としては、トロフィーが重要視される。
 すべての狩猟者が狩猟団体に属する。
 ドイツ、オーストリアなど
●Ango-Saxon model
 スポーツとしての紳士的な狩猟。
 捕獲をする行為自体を楽しむ。上流階級的な遊び。
 プロによる管理が行われている。
●Southern Euroean model
 フランス スペインなど。
 社交行事的な狩猟と生息地に着目した管理が行われている。
 広く狩猟が理解されており、比較的狩猟者の割合も高い(1/40)

さらに、狩猟者の体制にもさまざまな形態がある(割愛)。さまざまな狩猟の形態があるが、ヨーロッパ全体で共通して狩猟者の高齢化(平均53-56歳)と減少が起きている。その一方で、有蹄類の増加は続いている。


Status problem and management perspective of wild bord in Europe

イノシシ海を渡り、カモメの巣を襲うかと思えば山の頂上まで生息している。イノシシはヨーロッパ全土で個体数は基本的に増加傾向にある。中でも、ベルリンではイノシシの都市化が起きており、市内に8000-10000頭のイノシシがごみを漁って生活している。Balceronaのプールをイノシシが泳ぐ光景も目撃されている。イタリアでは、産業の変化にともない、都市部への人口流出が起きている。その結果、農村は人口減少率が25%にも達しており、森林が拡大し続けている。さらに、保護区が増え、国土の11%が保護区となってしまっている。このほか、有蹄類を意図的に放逐してきた歴史もある。このような背景からイノシシの増加は止まる気配がない。イノシシが好む作物をつくるようになったという、農業の変化も増加に影響しているだろう。森林の餌資源としてはカシやクリが重要だ。また、イノシシは雪の中を移動しないことや、森林の生産性の指標として適していることから、個体密度と気温とには正の相関が認められる。イノシシは氷河期に南ヨーロッパの限られたレフュージアに分布がとどめられており、その後、北へ分布を拡大してきた経緯がある。そのため、イタリアのみ独特なmt-DNAハプロタイプを多く保有している。さらに、イタリア周辺ではAsia豚の遺伝子浸透がおきている。

オオカミについてみてみると、イノシシが多いほど、オオカミはイノシシを多く利用する傾向がみられる。ただ、オオカミによる
イノシシの捕食は幼獣を中心に、イノシシ個体群の5.7%程度でしかない。実はハンターがイノシシ個体群の53.4%を捕獲している上に、成獣をとることを考えると、オオカミとハンターは異なる方法でイノシシの個体数調整に寄与しているとはいえ、
ハンターの負うべき役割は大きい。

イノシシによる被害総額は8000万ユーロを超えるほどであり、実際イタリアとフランスでは被害の8割がイノシシよるものである。保証額の支払いは増加しており、イヌ科の保証額よりはるかに多い。対策として防除柵、電気柵、爆音器の設置や駆除捕獲、人口給餌などが行われる。ただ、柵はあまり有効でない場合があり、被害と捕獲頭数に関係性はない。そもそも人口給餌は個体数の増加を招くだけ。効果的にな対処法が求められる。国ごとにイノシシ猟の期間や方法は異なっており、犬を使った巻狩り、餌付けをしておびき寄せて夜撃ちを行うなどの方法で年間170万頭が補殺されている。ただ、どの国でも狩猟者の減少が起きており、今後が危惧される。
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2012年01月25日 | Comments(1) | Events
コメント
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  2012年05月07日 14:10:43 編集

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